明日から三月というのに、日が暮れれば一段と体が冷える。湯冷め防止のためにも、暖房のほかあたたかい料理と飲み物が欠かせない。
日本酒は手間をいとわず燗酒にする。電子レンジはもってのほか、やかんの湯で3分間あたためる。
昨年12月に、長野県中山道鳥居峠越えの帰りに奈良井宿の酒屋で買い求めた酒を飲んでみた。
銘柄:木曽路
酒蔵:長野県木祖村薮原 株式会社湯川酒造店
種類:普通酒
原料米:国産米
精米歩合:(不明)
アルコール度数:15度
製造年月:2023年10月
購入価格:1,900円 /1升
飲むなら原則として純米の酒としたいところ、そう贅沢ばかりしていられない。
手頃な価格の普通酒にもおいしく飲めるものがあるはず。
宣伝文句は「濃醇旨口でスッキリとしたキレ味」というが、はたして・・・
燗酒にすれば、なるほど濃厚旨口で寒い冬の晩酌に適している。
ローカル色を感じさせる古風な味わいだ。
以下は余談。
父は酒に弱く、母は飲めなかった。ああそれなのに・・・
酒が飲めなくては世の中に出てから困るだろう、という親心からと推察している。
高校時代から夕食時にビールを飲ませてもらっていた。少しもおいしくはなかった。
その後も同様、ただ苦いだけ。
二十歳過ぎに初めて飲んだ日本酒に至っては、変な味、奇妙な味としか思えなかった。
就職後は、同僚との麻雀、ゴルフ、スキーツァーなどの私的なお付き合いには、登山を除いて一切参加しない代わり、酒のお誘いだけは応じていた。さもなければ村八分という雰囲気を感じていた。
次第に鍛えられたのか、「慣れ」がそうさせたのか、ビールや日本酒の味がわかるようになったのは、30歳を過ぎてから。焼酎のおいしさがわかったのはまだ最近だ。
結果として人生の楽しみが1つ増えた。隠居生活をしていると、食べることと飲むことが日常では一番の楽しみだ。幸いにしてγ-GTPは低い数値のまま推移している。