これを聞くと小学校の給食の時間を思い出す。昼の放送で流れていた。
この限りでは、自分にとってはなじみのある作曲家だった。
その後、年月を隔ててほかの作品に接すると、これがプロコフィエフの音楽なのか、と少なからず衝撃のようなものを感じた。
プロコフィエフの音楽は、そのほとんどがなじめない。
くせ球を得意とする投手に毎回抑え込まれている哀れな打者の心境だ。そのあくの強さは、マーラーやショスタコーヴィチを上回る。
その中でも異色の存在が、ヴァイオリンソナタ第1番 ヘ短調作品80の第1楽章だ。
魑魅魍魎のうごめく暗闇に迷い込んだような気分にさせられる。繰り返し聴くうちに不思議な魅力が伝わってくる。冒頭のピアノの不気味な低音は、自分でも弾いてみたくなる。