ピアノリサイタルはともかくとして、オーケストラと共演できるピアノ協奏曲の演奏は夢物語、せめて有名な曲の独奏部分だけでも弾いてみよう。
選んだのが、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番から第1楽章の冒頭8小節だ。
これまでに聞いた限りでは簡単に弾けそうに思われた。しかし・・・
2小節目で早くもつまずいた。左手のF-C-D♭-A♭の和音だ。指はかろうじて届くものの、力を入れにくい小指で重い白鍵を叩かねばならぬ。さまざまな演奏を聴くと、分散和音のように弾くピアニストがいる。苦肉の策だ。これはこれで別の難しさがある。ラフマニノフ並みの大きな手と長い指が欲しい。
小節ごとに和音の響きが微妙に変化する。名曲たる所以である。