「会う」「合う」「遭う」「逢う」は意味が異なる。だから日本語は興味深い。
ここでは、あえて「逢い」に行くとした。憧れの人に対するような思い入れがある。
今年は、春の花の開花が早い。おおよその見当をつけて、お花見登山を決行したのが3月21日。空振りもあり得るが、情報が乏しいのだから覚悟している。
さてさて、どこに咲いているのか。まるで落し物を探すようにきょろきょろしながら歩みを進める。猪の掘り返した跡が盗掘の跡に見えた。
登り始めてどれくらい経過しただろうか。白い花が目に留まる。近づくとよく似ている。念のため葉を確認すると間違いなし。
胡蝶猩々袴(コチョウショウジョウバカマ)の花に逢うことができた。見頃だった。
赤色系統の猩々袴の花はどこでも見られるが、これは珍しい。
その山はどこだ?
盗掘に遭わないよう願いつつ明らかにする。
目的は果たせたが、せっかくなのでさらに登って行くと、公園の芝生広場のような頂上に出た。
時間が許せば、ほろ酔い気分のまま昼寝をしたくなるような陽気だった。
贅沢は言うまい。酒はなくとも、花とお茶、快晴の空と目の前に広がる景観で満足する。