期 日 2021年10月30日
場 所 雨生(うぶ)山 (313m 愛知県新城市/静岡県浜松市)
天 候 晴れ
秋のお花見登山のつもりで雨生山に登ることにした。
県境の宇利峠から登る予定だった。ここまでJR飯田線の野田城駅から歩いて1時間と50分。
峠を越えた静岡県側に登山口があり、歩き始めたところ、どうもおかしい。登山道にしては道幅が広すぎる。地図を確認すると、登山道ではなく林道だったことに気が付いた。今さら引き返す気にもなれず、林道の方が平坦で歩きやすいだろうと、そのまま進む。足に疲れがたまっていたからだ。
雨生山に至る尾根道に登るための登山口が左側にあるはずだが、どこまで歩いても見当たらない。突然のように林道が行き止まりとなった。これは予想外だ。行き過ぎたようだ。
引き返して、黄色の目印が付けられた地点から斜面に取り付く。ここは行きに踏跡が見つからずに通過した所だ
よく見れば、かすかな踏跡が続いているではないか。わずかな目印を頼りにその踏跡をはずさないよう登って行ったが、やがて踏跡がわからなくなった。目印も見当たらなくなった。引き返すことにした。迷った時の原則である。
しばらく戻ってから立ち止まる。視界の閉ざされた深い樹林の中では、黄色の目印まで正確に戻るのはもはや不可能ではないのか。その黄色の目印をはずすと林道に接する急斜面を下ることになり、危険である。
再び登ることにした。進む方角は北ないし北西だ。方角を間違えなければ、いずれ尾根の登山道に出るはずだと判断する。足元が不安定な斜面をひたすら登る。登山道を歩く人の声が聞こえて来てもよさそうなのに、人の気配は全くない。歩きやすい所を選んで登るため、一直線には登れず時間がかかる。
少しずつ登りが緩やかになり、明瞭な踏跡に出た。境界の杭があったので雨生山に通じる登山道に間違いないことがわかり、救われた思い。
踏跡が消えた時に、引き返すか、そのまま進むか、冷静な状況判断が求められる。予定した宇利峠の登山口を見落としたのは、注意不足だった。いくら疲労がたまっていても、念入りに探すべきだった。