愛知の冬は意外に寒い。当地のような尾張の内陸部は寒冷地も同然。我慢も限界、寿命が縮む。
初の試みとして、暖かく風光明媚な宮崎で静養することとした。静養といっても、決して天皇家の真似事ではない。屈強なプロ野球やサッカーＪリーグの選手も、冬は暖かな地へ移動してキャンプをする。これに倣ったものだ。
滞在先はどうする？
御用邸はもとより別荘もないけれど、格安の宿を見つけた。個室で素泊まり3,150円とは信じ難い料金だ。車のない客にはオーナー自らが送迎までしてくださる。
ここを隠れ家としよう。
愛知に帰ると寒さに震えた。体感温度のあまりの違いに驚くばかりである。毎年冬は宮崎で静養だ。
残りわずかな人生ではないか、この程度の贅沢は許されよう。
ここが滞在した宿。
大家さん宅に下宿しているような気分だ。
居酒屋はどこも観光地価格。今回はパスして宿の部屋で夕食とする。この方がくつろげる。
旅先では早起きするに限る。太平洋の日の出を見に行く。宿から歩いて数分だ。
或る日の朝食。栄養のバランスに気を遣う。
吹き渡る風の何とさわやかなことか。
大海原をぼんやり眺めていると、心身とも大いに安らぐ。長い水平線に地球の丸さを実感する。
（おいおい、奥様はどうしたのだ。心配御無用。亭主も家内も元気で留守がいい。単身でお気に入りの観光地へお出かけになった。可愛い？妻にも旅をさせよ。）
