「夏が来れば 思い出す ・・・ 」
ラヂオからこんな歌が流れてきた。憧れの尾瀬ヶ原に咲く水芭蕉に思いをはせる。
今では東京へ行くことすらままならぬ。
「はるかな尾瀬 とおい空 ・・・ 」
もともと遥かな地である尾瀬が、果てしなく遠ざかりつつある。歌詞のとおりだ。
お花見の対象としては、はなから予定外の水芭蕉だったが、愛知県内でも見られることがわかった。その群生地が自生なのか、ほかからの移植なのか、あえて問わないことにする。
すでに開花しているとの情報を得て、お花見登山を思い立った。
バスを3本乗り継いで奥三河へやって来た。信濃に接する国境の地である。
せせらぎに沿う林道を歩く。人も車も通らない。
山道を登る。標高は低いながらも深山幽谷の気配が漂う。
水芭蕉の群生地に出た。小さなせせらぎのある湿地である。観光名所の水芭蕉と異なり、周囲の景観と見事に調和している。
せっかくだから山の頂へ登ることにする。山の霧は敬遠されがちだが、こうして見ると風情がある。
誰もいない。ひっそりと咲く山の桜を眺めつつ、広大な空間を独り占めだ。
「ステイ ホーム」より、平日の山の方が安全ではないか。
亭主(家内)元気で留守がいい。家庭内感染を防ぐことになる。交通機関の混雑さえ避ければいい。
期 日 2021年4月14日
行 程 上野入バス停~井の入登山口~水芭蕉群生地~夏焼城ヶ山(889m)~
天 候 曇りのち晴れ
(続く)