行方知らずのさすらい暮らし

自称「さすらい人」が書き綴る気ままな日々の暮らし

読書感想 その14

渡辺淳一「阿寒に果つ」の主人公である純子の呪縛から一刻も早く逃れたかった。魔性の少女、恐るべし。

そこで選んだのは・・・

森鷗外「雁」新潮文庫

舞台は明治時代の東京である。無縁坂、神田明神上野広小路など全くなじみがなく、想像力を働かせながら読んだ。東京大学の赤門、不忍池の記憶もおぼろげになっている。

 

 

ネタばれを避けるため、以下感想のみ。

読むほどに、明治時代の香りが濃厚に漂ってくる。当時の大学生の教養の高さ、それに比べて・・・と言いたくなる。

男尊女卑の風潮を助長させそうな、今の世なら受け入れ難い作品だろう。お玉のような女性はもはや令和の時代には存在しない。

何故表題が「雁」なのか、最後にわかる。