行方知らずのさすらい暮らし

自称「さすらい人」が書き綴る気ままな日々の暮らし

ちょっといい話

アルバイトの帰り、JR高蔵寺駅でピアノを弾く。周囲にいた数人が立ち去って閑散としてきた。

 

チャンス到来。こういう時にこそ難しい曲を試す。

 

背後に人の気配、順番待ちか・・・?。演奏中に振り返ることはできず、3曲でやめるつもりだった。その人も立ち去ったようなので、構わず弾き続ける。家のピアノとは勝手が違い、ミスタッチを連発したが、何とか弾き通すことはできた。

 

その場を引き上げようとしたら、若い女性が2人、温かい飲み物を差し出してくださる。近くの自動販売機かコンビニエンスストアで買い求めたのであろうか。受け取る筋合いではないが、断ってはいけない。素直に頂戴した。想定外、かつ突然のことでお礼の言葉を返すのが精一杯だった。

 

草臥れたおじさんのたどたどしいピアノ曲が、どのように伝わったのだろう。

音楽がもたらす効用について考えさせられた。

長年の練習の積み重ねが、思いもかけぬ御褒美につながった思いだ。

しぶとく生き永らえるうちには、いいこともある。

件の女性たちの将来に幸あれと願う。

 

(画像は過去のものであり、本文と直接の関係はありません。)