前回のその11から間が開いた。努めて読書はしていたが、感想を書き留めるほどの書物はなかったように思う。
読書の秋でもあり、気合を入れて熟読し、ネタ切れの時に感想を述べることとしよう。
芥川賞受賞作である。
高校時代が懐かしくなった。「思い出は美しすぎて」という歌謡曲があった。そのとおりだ。
美しい思い出があるというより、思い出だから美しいのだろう。
主人公のハツには、似た者同士のような共感を覚える。こんな女の子だったらいい友達関係が築けたかもしれない、などと勝手に空想する。
同級生の男の子の背中を蹴るという行動だけは、不可解だった。これは淡い恋心の1つの表れなのか。
余談になるが、「三角座り」という言葉は、関西で使われているようだ。作者は京都出身だった。