駅の改札口に近づくとピアノの音が聞こえてきた。
ショパンの「英雄ポロネーズ」だった。アマチュアにしてはうまい。
何度も反復練習をしていた。感心する。
この人の後では弾きづらい。
めったに来られないので遠慮は無用。周囲の雑踏でミスタッチが目立たない。
まず準備運動を兼ねて、ショパンの24の前奏曲から第7曲イ長調。
この曲でその日のコンディションがわかる。少しつまづいたが気にせずに数曲弾き続ける。
ドビュッシーの「沈める寺」は、自宅以外では初演になる。焦らず急がずゆっくりと弾けばいいことを再認識する。