行方知らずのさすらい暮らし

自称「さすらい人」が書き綴る気ままな日々の暮らし

念願のマイホーム

「ねぇあなた、私たちのマイホーム、どこに作りましょうか。」

「まず、防犯だ。外敵に狙われない場所、建築資材や食糧調達に便利な場所がいいね。」

「このあたりなら、子育てに適した場所があちこちにあって、かえって迷いそうね。」

「そうだ。僕の生まれ故郷がいい。記憶によると、近所の民家の庭にモクレンの大木があって、葉が大きいからどこから見ても死角になる。民家の住人も決して僕たちを追い払おうとせず、あたたかく見守ってくれる。子供の頃、おとうさん、おかあさんがそんな話をしていた。

今から案内しよう」

 

「すてきな所ね。静かだし、日当たり、風通しとも良好で、庭に果樹が植えてあって食糧にも困らないわね。」

「ちょっと待った。ここの住人が大切に育てているのだから、果物のつまみ喰いは遠慮しよう。ほかに草花の実や虫が豊富だから、大丈夫だよ。」

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近頃、耳が遠くなった一方で、ヒヨドリの会話がもれ聞こえてくる。空耳か ?