最初に読んだ時の印象が悪過ぎた。読み進むにつれて頭が混乱し始め、背筋がぞっとするような悪寒も味わった。その当時の精神状態が多分に影響していたのだろう。
今回久しぶりに読んだら、かつての記憶が少しずつ呼び戻されたものの、冷静な気分で読むことが出来た。
謎の多い小説だ。推理小説にも通じるものがある。
あまり突き詰めて考えない方がいい。謎解きは徒労に終わる。所詮は作り話、大人向けの童話としては一級品だ。多彩な比喩には感心するばかり。
冒険の舞台はどこだろう。「十二滝」は架空の地名だ。北海道の今は廃止された国鉄美深線か名寄本線の沿線から北見山地に深く分け入った所か、と推察する。