家にある本を読もう。どこの図書館も当分の間休みだ。
小説は、長いものほど一気に読む必要がある。間隔が開くと、登場人物とその相互の関係がわからなくなる。
懐かしい食べ物が出てくる。
「はったい粉」
愛知では「こうせん」と呼んでいた。子供の頃のおやつだった。今でもその色、香ばしさとも記憶に残っている。
時は昭和20年、終戦直後の殺伐とした世相、誰もが食べていくのに精一杯だった。それなのに親戚同士はもちろん、見知らぬ者同士でも、助け合い励まし合って、将来への明るい希望を失わずに生きていた。心あたたまるものを感じる。